僕が家を買ってしばらくすると友達のK君が僕の家を見たいと言ってきました。
K君は西宮に住んでいる高校時代からの僕の友達です。
僕の店で夜遅くまで飲むことを前提にお互い次の日は休みという日程で彼は車で僕の家に来て泊まることになりました。
まあ独身同士あれこれと取り留めもない話をしながら楽しくこの日は過ぎ、夜は彼はものすごい鼾、僕は寝言をいいながらお互い眠りにくい夜を過ごしました。自慢ではありませんが僕は寝ていなくてもしょっちゅう寝言を言っていると母から言われております。
次の日、僕はK君の車に乗って西宮まで連れて行ってほしいといいました。
僕は銭湯マニアなので西宮の銭湯をハシゴしたかったのです。
昼前にK君の車に乗って銭湯にいったのですがまだ営業していませんでした。
K君は僕はヒマつぶしのためにあちこち西宮をドライブしました。
そこで思わぬ光景に遭遇しました。
それはどこかで見たような池でした。K君の家のすぐ近くでした。
ここで感のいい人はお気づきでしょうが西宮は 涼宮ハルヒの憂鬱 というアニメのモデルになった 聖地 なのです。
その池はみくるちゃんが映画の撮影で放りこまれた池でした。
ここで僕のサブカル魂に火がついてしまいました。
僕はK君におねだりして市内を回ってほしいといいますとK君は快諾してくれました
保法止。
涼宮ハルヒの消失 ででてきたサイゼリア、西宮北高校、その他市民球場などその前を通るたびに僕は感動の嵐でした。特に北高の校門前から見る風景は絶景でした。宗教の人がメッカやエルサレムに巡礼する気持ち、車を痛車にする気持ちがわかるような気がしました。
結局、銭湯にいってその後はエンドレスエイトでの待ち合わせ場所の駅裏に近い 座 WATAMI で酒を飲みその日は感動冷めやらぬうちに電車に乗って家に帰りました。
僕はある 決心 をしました。あるものを買う決心をしました。
ですがあるものに理解を示してくれるのはサブカルに造形の深いY君だけでしたのでY君に次に会うまでにあるものを手に入れて褒めてもらおうと思いました。
ちなみにY君のサブカルのセンスは目を見張るものがあります。彼の車でのBGMは犬神家の一族のテーマだといえばそのセンスをわかっていただけると思います。その他にはバイファムや角川映画の音楽、特に薬師丸ひろ子系統が好きなのです。Y君に関しては
こちら
をお読みください。
あるものを買おうとしても僕を取り巻く世界は意地悪なのでした。
こんな時に限って仕事がひっきりなしに入ってきてなかなかあるものを買いに行く時間がとれませんでした。
こんな時に限ってY君からの電話がかかってくるのです。
僕はまだあるものを買っていないのでY君からの電話をとりませんでした。そしてとにかく僕は近いうちに必ず買う決心を固めました。ですがその日の夜遅くもう1度Y君から電話がありうかつにも電話をとってしまいました。
僕は
「体の調子が悪くて・・・健康診断にいった・・・」
などとすぐに嘘とわかることをいってしまいました。
そしてY君の次の休みの日を聞くと
「明日」
とほざきやがりました。
僕に残された時間はありませんでした
鑽石能量水。
次の日の午前中にお金を握りしめ店員に目を合わせることなく僕はあるものを買いました。
夜になってY君と会いました。
一連の聖地巡礼の話をしてあるものを買ったというとY君は少し笑ったあとに眉毛を落書きされた野良犬を見るような目で僕を見よりました。